演題情報

よくわかるシリーズ

開催回
第56回・2011年・横浜
 

オンラインHDF装置のシステムについて~装置の原理や特長~

演題番号 : YW-11-1

前田 成臣:1

1:株式会社ジェイ・エム・エス 営業推進本部

 

近年の高度化された透析治療では透析液清浄化は必須条件であり,多くの医療機関が従来よりも厳格な水質基準で管理を行い水質レベルが向上している.この様な背景の中,2010年においては数社よりオンラインHDF療法に対応した透析装置(以下,装置)が上市され,環境が整備されるとともに普及が期待される.オンラインHDFの特長は清浄化された透析液を補充液として使用することであるが,オンライン補充液(以下,補充液)は透析液回路内より補充液ポンプを用い密閉系内部(ダイアライザ手前の箇所)から透析液を抽出し,血液回路内へ直接注入される治療方法である.透析液回路内では抽出された補充液分が不足することになるが,送液と排液の透析液流量が等しくなる特性(密閉系の保持機構)により流量の不足分はダイアライザの血液側より透析液側へ補液と同じ速度で移動し水分バランスを保持している.補充液ポンプの速度を可変させることで濾過速度をコントロールすることができるため,従来のオフラインHDFのような複雑な手技を必要とせず大量の濾過を行うことが可能である.また,使用する血液回路などは血液透析で使用している規格に近く,装置へのセッティングは従来の規格に補充液ラインが追加される程度である.オンラインHDFはオフラインHDFに比べ多様な治療条件を設定でき,簡便である部分も多いが,その安全を担保するには装置が適正に動作することが前提である.そのため装置には厳格な基準が設定されており,その要求される事項に適合できるシステムを構成しなければならない.オンラインHDF治療に関しては『オンラインHDF/HF治療への使用を意図した人工腎臓装置と水質基準に関し要求される事項(要求事項)の提言』(透析会誌42(6):419~422,2009)や『透析液水質基準と血液浄化器性能評価基準2008」(透析会誌41(3):159~167,2008)で装置に要求される性能や水質基準および測定頻度などが定められている.ここでは,オンラインHDF療法に対応した透析装置の原理や特長,並びに方法などのシステム的な側面について解説させていただく.

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