演題情報

よくわかるシリーズ

開催回
第56回・2011年・横浜
 

蛋白結合性尿毒素

演題番号 : YW-10-1

丹羽 利充:1

1:名古屋大学医学部 尿毒症病態代謝学

 

蛋白結合性尿毒素として、インドキシル硫酸、p-クレシル硫酸、3-カルボキシ-4-メチル-5-プロピル-2-フランプロピオン酸(CMPF)、フェニル酢酸、ホモシステイン、最終糖化産物(AGEs)などが報告されている。 インドキシル硫酸は腎障害進行、動脈硬化(血管石灰化)、酸化ストレス亢進、骨代謝障害(低回転骨)と関連している。インドキシル硫酸は90~98%がアルブミンと結合しているため、血液透析で除去されにくく除去率は約30%である。CKD患者において血清インドキシル硫酸濃度の高値群では全死亡率、心血管系死亡率が高いこと、インドキシル硫酸は心筋細胞の肥大、心臓線維芽細胞のコラーゲン産生など心臓毒性を示すこと、またインドキシル硫酸は環境毒であるダイオキシンのレセプターであるaryl hydrocarbon receptor(AHR)の内因性アゴニストであり、内因性ダイオキシン様毒素として、AHRを介して種々の臓器に毒性を示すことが報告されている。 p-クレソールは細胞毒性の強い尿毒素として報告されていたが、最近、透析患者の血中にはp-クレソールは殆ど検出されず、p-クレシル硫酸として存在していることが明らかになった。 p-クレシル硫酸は白血球に対するフリーラジカル産生刺激作用を示す。p-クレシル硫酸は95%がアルブミン結合しているため、血液透析で除去されにくく、除去率は約30%である。CMPFは薬物のアルブミン結合阻害、腎尿細管分泌の阻害、甲状腺機能異常、肝臓における薬物代謝阻害作用などの毒性を示す。 CMPFはアルブミンとほぼ100%と強く結合しており、通常の血液透析ではほとんど除去されない。 インドキシル硫酸など蛋白結合性尿毒素の多くは、正常腎では近位尿細管の基底側膜にあるトランスポーター(OAT1、OAT3)により血液から取り込まれ尿細管腔に分泌されている。蛋白結合性尿毒素は通常の血液透析では除去されにくく、尿細管分泌機能の代用となる新たな透析技術の開発が必要である。 ダイアライザーの新たな機能評価項目として、代表的な蛋白結合性尿毒素であるインドキシル硫酸のクリアランスを表示するように提案したい。

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