演題情報

よくわかるシリーズ

開催回
第56回・2011年・横浜
 

ビタミンD製剤とシナカルセト

演題番号 : YW-9-2

谷口 正智:1

1:九州大学大学院医学研究院 病態機能内科学

 

従来、二次性副甲状腺機能亢進症 (2°HPT)に対する内科的治療の主流はビタミンD製剤であり,特に静注製剤や経口パルス療法を用いると,治療抵抗性の2°HPTでもある程度副甲状腺ホルモン (PTH)値を低下させることができた.ビタミンDはまた,レニンアンジオテンシン系の抑制,心肥大の改善,炎症性サイトカインの制御などを介して,生命予後を改善することが報告されている.一方で,ビタミンDには血中カルシウム (Ca), リン (Pi)濃度を上昇させるという副作用があり,このことは血管石灰化を助長するというマイナス面が存在する.2008年に上市されたシナカルセト塩酸塩(以下,シナカルセト)は,PTH値を低下させるとともに,血中Ca, Pi濃度をも低下させるというのが最大の特徴および利点である.この薬の登場により,さらに内科的治療の幅は広がったのは確かであるが,どの病期で使うべきか,ビタミンD治療や外科的副甲状腺インターベンション療法との棲み分けなどが現在の課題である。また、シナカルセトは血中Ca, P値を低下させ,結果として十分なビタミンD投与が可能になるなど,シナカルセトはビタミンDの効果を十分に引き出すことができる名脇役とも考えられる.本会では2°HPTの治療抵抗性の原因となる副甲状腺過形成の問題や生命予後をも考慮に入れながら,本学会で発表されるCKD-MBDガイドラインの内容も踏まえて、ビタミンDとシナカルセトの使い方について外挿する.

前へ戻る