演題情報

よくわかるシリーズ

開催回
第56回・2011年・横浜
 

効果的なPTA

演題番号 : YW-7-2

佐藤 隆:1

1:(医)名港共立クリニック

 

バスキュラーアクセス(VA)に対するPTAはVAIVTと総称され、その利便性と臨床的有用性を背景に広く普及を遂げている。一方、VAIVTに参画する診療科も多様化し、透析現場でのVA管理にかかわることなくVAIVTのみを施行する医師も増加している。「効果的なPTA」とは透析現場のニーズを満たし、かつ良好な治療成績を担保することであるが、医療経済的にも受容可能なものでなければならない。すなわち「効果的なPTA」とはVA機能の早期回復と医療経済をも視野に入れたVA長期開存の達成であり、これらにとって重要なことは日常的なVAモニタリング、VA不全に対する治療環境の構築、標準的VAIVTの確立とエンドポイントの認識および外科との連携、長期成績の向上を目的とした治療戦略の確立と考えられる。 (1)日常的モニタリング:閉塞など病変の複雑化は治療成績を低下させるのみならず、治療の長時間化や複数の治療用デバイスの使用など、患者および医療経済の両者に負担をかけることとなる。すなわち「効果的なPTA」達成には病変の早期発見・治療が重要であり、そのためにはVAの日常的観察と管理が必須となる。 (2)VA不全に対する治療環境の構築:VA閉塞発症の予測は困難であり、狭窄病変のみが待機的VAIVTの適応となる。閉塞症例ではバスキュラーカテーテルの使用を回避する上でも48時間以内の緊急的対応が理想であるがVAIVTまたは外科的修復術、何れの治療法を選択するにせよ随時対応可能な施設の人員確保、治療体制の構築が大きな課題となる。 (3)標準的VAIVTとエンドポイントの認識:術者や施設の多様化による治療成績の格差を是正するためにはVAIVTの標準化が必要となる。標準的手技に立脚した新たな治療戦略の構築と評価によって「より効果的なPTA」が達成されると考えられるが、一方では自施設におけるVAIVTのエンドポイントを認識し、外科的治療へ移行させる決断も重要となる。 (4)長期成績の向上:VAIVT最大の欠点である再狭窄に対しStentなどが有効との報告もあるが、これらのデバイスは高価であり費用対治療効果について検証するとともに再狭窄予防に対し効果的な手段を確立する必要がある。 以上のように「効果的なPTA」は病変の解除のみならず、多くの要因を改善することによって達成可能と考える。

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