演題情報

よくわかるシリーズ

開催回
第56回・2011年・横浜
 

進化する透析装置(ナビゲーション透析)

演題番号 : YW-5-2

山家 敏彦:1

1:社会保険中央総合病院 臨床工学部

 

【はじめに】安全性を確保するための標準的な手技が普及し、安全で適切な操作、治療条件設定を可能にする透析装置の開発が進んでいる。これらは、透析装置単独での発達のみならず患者個々の透析条件をデータベース化し透析装置との通信機能を有するコンピュータ管理・監視システム(以下、支援システム)との連携によるところが大きい。本セミナーでは、支援システムと透析装置のガイダンスやナビゲート機能の双方向通信によって期待されるインテリジェント透析システムについて解説したい。 【支援システムの現況】除水計画、血流量などが透析条件の患者個々に対して設定可能であり、装置の運転状態や患者バイタルサインなどの集中監視が可能である。支援システムに設定した予告報知により透析装置で検知する前に圧力が警報設定値に近づきつつあることを事前に報知させる、血圧低下の際に上下限警報設定値に至る前に報知させる、などにより迅速な対処が可能である。 【透析装置の進化】デジタル信号を高速処理することが可能となりスイッチ操作も単純・簡略化されたように思われる。しかし、一画面毎の階層構造をたどることにより目的を達成しなければならないことが多いため、より安全な操作を誘導するための「ナビゲート機能(ガイダンス)」は欠かせないものとなっている。これにより正しい操作をナビゲート(誘導)し、不慣れなスタッフでも安全な操作が可能となる。また、患者から得られる生体情報により安全で適切な透析条件に誘導することが期待できるモニタリング技術が定着している。除水に伴う循環血液量の減少は血圧低下への主な影響因子であるが、ヘマトクリットを連続的にモニタリングすることで循環血液量の相対的な変化を捉えることは容易となった。この情報をもとに個々の患者に適切な除水プログラムを組み込む、或いはフィードバックによる適切な除水速度への誘導が可能である。 【インテリジェント透析システムへの期待】支援システムとナビゲート透析装置の組み合わせにより、安全で適切な透析治療へと誘導可能なインテリジェント透析システムの概念形成と装置開発が必須の時代となった。ヒューマンエラー対策においても今後の発展が期待される。

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