演題情報

ワークショップ

開催回
第56回・2011年・横浜
 

透析患者の水溶性ビタミンの適正管理

演題番号 : WS-10-6

和田 憲和:1、長岡 由女:1、金澤 良枝:1、中尾 俊之:1

1:東京医科大学病院 腎臓内科

 

【目的】透析患者のビタミンB1(VB1)、ビタミンB2(VB2)、ビタミンC(VC)の血中濃度とその動態を検討し、適正な管理について考察した。 【方法】透析導入直前の患者46例を対象として、血液透析導入時の透析開始直前にVB1、VB2、VCの血中濃度を測定した。同様に維持血液透析施行中の患者82例に対して、透析開始直前にVB1、VB2、VCの血中濃度を測定した。そのうち一部の患者では、透析前後、次回透析前での血中濃度を比較した。さらに血液透析でのクリアランスを測定した。 【結果】透析導入直前症例のVB1濃度は、97(15-1842)ng/mlで、VB2濃度は、105.5(54.5-221.8)ng/ml、VC濃度は、11.5(1.2-62.0)μg/mlであった。血中濃度が正常より高値であった例は、VB1 7例(15.2%)、VB2 14例(30.4%)、VC 9例(19.6%)であり、正常より低値であった例は、VB1 6例(13.0%)、VB2 6例(13.0%)、VC 19例(41.3%)であった。維持血液透析施行症例のVB1濃度は、66(16-984)ng/mlで、VB2濃度は、106.4(55.5-444.9)ng/ml、VC濃度は、14.9(0.3-310.5)μg/mlであった。血中濃度が正常より高値であった例は、VB1 9例(11.0%)、VB2 20例(24.7%)、VC 16例(19.5%)であり、正常より低値であった例は、VB1 10例(12.2%)、VB2 10例(12.2%)、VC 42例(51.2%)であった。高値例にはビタミン剤投与者が認められた。血中濃度低値者では、高年齢、貧血、低栄養状態、動脈硬化を有する症例を認めた。VC濃度は血液透析により低下し、次回透析までに復した。VCのクリアランスはVB1、VB2に比べて高値であった。 【結語】透析導入直前と維持血液透析療法施行例ともにVB1、VB2、VCの血中濃度低値を高頻度で認め、特にVC低値の頻度は高かった。一方、血中濃度高値例の多くは、ビタミン・サプリメント摂取者であった。維持血液透析療法施行例では、透析による水溶性ビタミンの除去が、血中濃度低値の要因の一つと考えられた。透析患者では、水溶性ビタミンの欠乏状態だけでなく、その摂取による過剰状態にも留意する必要がある。水溶性ビタミンを含む食品、サプリメントの摂取については、今後の検討課題である。

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