演題情報

ワークショップ

開催回
第56回・2011年・横浜
 

血液透析患者における適正栄養量の再検討

演題番号 : WS-10-4

菅野 丈夫:1、島居 美幸:2、出浦 照國:3

1:昭和大学藤が丘病院 栄養科、2:昭和大学豊洲病院 栄養科、3:昭和大学藤が丘病院 内科

 

透析患者における適正な栄養量とは、次の条件を満たす量であると考える。すなわち、1.良好な栄養状態が維持できること、2.1回の透析で十分除去可能なレベルに血液検査値や体液量が調整できること、3.さまざまな合併症を抑制できること、である。そのためには、十分なエネルギー量を確保しつつ、適正な量のたんぱく質を摂取し、カリウム、リン、食塩、水分を十分に制限する必要がある。 そしてさらにもう1つ、4.無理なく実行できる食事とすることができること、という条件が加わる。しかし、食事中の栄養素量はすべて正の相関関係にあるため、ある栄養素は十分に摂取しつつ他の栄養素は制限するというような調整はきわめて難しい。特に、たんぱく質摂取量を1.0~1.2g/kg/dayのレベルに維持しつつ、カリウムやリンを高カリウム血症、高リン血症が抑制できるレベルにまで制限することはほぼ不可能である。 だが今まで、この点についての十分な検証がなされないまま透析療法における適正な栄養量の議論がおこなわれてきた。実際の臨床現場でも、カリウム制限の方法として生の果物、野菜の禁止や茹でこぼしが指導され、リン制限の方法として乳製品を中心としたたんぱく性食品の制限が指導されているが、これが食思不振やエネルギー不足を招いているという認識がないままに行なわれている。 今回、この問題を献立調理学的に検証し、正しい指導のあり方について検討し報告する。また、私たちが透析患者の適正な栄養管理法として主張してきた低たんぱく食が、透析患者における適正な栄養量の4つの条件を満たしうるかどうかについても、献立調理学的側面と臨床的側面の両面から再度検討し、それを通して血液透析患者における適正な栄養量について考察したい。

前へ戻る