演題情報

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開催回
第56回・2011年・横浜
 

血液透析患者の至適蛋白質摂取量の検討

演題番号 : WS-10-3

高澤 和也:1、高枝 知香子:1、羽場 登紀子:2、村瀬 由美:3

1:公立松任石川中央病院 腎高血圧内科、2:公立松任石川中央病院 栄養管理課、3:公立松任石川中央病院 血液浄化センター

 

【目的】血液透析症例(HD)の生命予後改善に寄与する推奨エネルギーおよび蛋白質量に関しては現在も一定の見解を得ていない。一方、protein-energy malnutrition (PEM)やmalnutrition、inflammation and atherosclerosis syndrome (MIA)などの低栄養が死亡のリスクとなることは明らかである。このため推奨摂取蛋白質量は1.0~1.2g/kg/dayとされ、諸外国では1.2~1.4 g/kg/dayと高蛋白質が勧められている。しかし、高蛋白食では高リン血症や高カリウム血症となる危険性もあり、特に高リン血症でも死亡リスクの増大が指摘されていることから、リンの厳重なコントロールが求められる。そこで当院で摂取エネルギーと摂取蛋白質等を調査し、その栄養状態から至適蛋白質摂取量を検討した。 【方法】HD80例中2008年と2010年の2回とも3日間の食事記録調査が完全に施行できており、悪性腫瘍・糖尿病および感染症を除外した維持血液透析12例(女性8例、男性4例、平均透析期間9.5±4.1年)を対象に、食事内容の検討と体重・DEXAによる体脂肪の変化等について検討を行った。 【結果】12例の2008年の平均BMIは21.8±2.1(mean±SD)であった。食事記録から算出した全例の2年間の平均摂取エネルギー(標準体重換算)は29.9±3.6kcal/kgから27.4±1.6kcal/kgと有意に減少したが(p<0.01)、蛋白質は0.88±0.16 g/kgから0.89±0.17 g/kgと変化は認めなかった。この間、体重は52.9±9.6kgから52.5±9.1kgへ、DEXAによる体脂肪率も29.8±7.7%から30.3±7.8%と維持されていた。心臓カテーテル検査またはシャントトラブルによる入院は0.3回/年・人であり、それ以外の入院は腎癌の手術を受けた1例のみで0.042回/年・人となった。 【結論】蛋白質摂取量が0.9g/kg/day程度でも栄養状態は維持できていたことから、至適摂取蛋白質量は1.0g/kg/day未満となる可能性が考えられる。

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