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ワークショップ

開催回
第56回・2011年・横浜
 

動脈硬化性病変からみた血液透析患者の適正な脂肪および筋肉量について

演題番号 : WS-10-2

加藤 明彦:1、石田 淳子:2、小田巻 眞理:2

1:浜松医科大学附属病院 血液浄化療法部、2:浜松大学 健康プロデュース学部

 

【目的】栄養評価法として、脂肪および筋肉量を評価することは重要である。しかし、透析患者における適正な脂肪および筋肉量については明らかではない。今回、腹部皮下脂肪(ASFA)、内臓脂肪(AVFA)および大腿筋肉面積(TMA)を計測し、動脈硬化性病変からみた身体構成成分の適正量について検討した。 【方法】維持血液透析(HD)患者161名(年齢61±11歳、HD歴12±10年、男/女=114/48、糖尿病34名)を対象とした。CT横断像よりASFA、AVFAおよび大腿骨幹面積(FSA)で補正したTMA/FSA比を算出するとともに、頚動脈内膜中膜厚(CA-IMT)、上腕・足首脈波伝播速度(baPWV)、足首・上腕血圧比(ABI)を計測し、それぞれにつき比較検討を行った。 【結果】ASFA、AVFA、TMA/FSA比は血清アルブミン、クレアチニン、プレアルブミンと有意に正相関した。AVFAは高感度C反応性蛋白(hs-CRP)と有意に正相関し、HDLコレステロールと有意に逆相関した。AVFAはCA-IMTと有意に正相関し、AVFA≧100cm2の患者では有意にCA-IMTが大きかった。ASFAは糖尿病患者においてCA-IMTと正相関した。一方、TMA/FSA比は非糖尿病患者でCA-IMTと有意に逆相関した。さらに、TMA/FSA比はbaPWVと有意に逆相関し、ABIと有意に正相関した。ステップワイズ多因子解析により、AVFAはCA-IMTに対する有意な影響因子であり、TMA/FSA比はCA-IMT、baPWV、ABIに対する独立した影響因子であった。一方、ASFAは動脈硬化性病変と関連しなかった。 【結論】HD患者において、内臓脂肪蓄積はhs-CRPの上昇や頚動脈病変と関連し、大腿筋肉面積の減少は全身の動脈硬化性病変と関連した。従って、HD患者の栄養管理目標として、内臓脂肪蓄積(AVFA≧100cm2)を回避し、大腿筋肉量の保持することが重要と考えられた。

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