演題情報

ワークショップ

開催回
第56回・2011年・横浜
 

過剰血流~現状と課題~

演題番号 : WS-7-9

神應 裕:1

1:神應透析クリニック

 

バスキュラーアクセス(VA)は血液透析を行うためには必要不可欠なものであるが、人為的に動静脈短絡を形成する非生理的なものである。VAからの還流血液量が増加し循環動態の許容範囲を超える場合を「過剰血流」といい、高拍出性心不全、静脈高血圧症、スチール症候群等の諸症状を引き起こす。特に高拍出性心不全に関しては、AVF考案者であるBrescia,Cimino&Appelらにより当初から指摘されていた。わが国の透析患者の死亡原因の約4割が心血管系イベントである現状を考えると、その増悪因子として過剰血流が関与している可能性は大きい。そのため、透析患者の生命予後改善のためには心血管系合併症の発症・進展を予防し、かつ心予備力の低下している患者に対して心負担の少ないVAの作製や修復、管理が必要不可欠であると思われる。 しかし、過剰血流に対する評価および治療法選択における明確な基準は確立しておらず、各施設での評価・判断に委ねられているのが現状である。そのため、過剰血流は見逃されているケースが存在している可能性も否定できず、懸念される問題である。 今後、過剰血流を診断するために、VA血流量と心機能および心予備力の評価をいかに正しく行っていくのか。また外科的治療法では血流抑制とするか、もしくは非シャントアクセス(上腕動脈表在化、長期留置カテーテルなど)とするか、それぞれの適応基準を定めすみ分けをどの様に行っていくか、課題は山積していると考える。 今回、当院での過剰血流に対する取り組み、および治療成績を提示するとともに、今後の課題について言及する。

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