演題情報

ワークショップ

開催回
第56回・2011年・横浜
 

臨床使用が実現する非穿刺型バスキュラーアクセス

演題番号 : WS-7-7

川村 明夫:1、飯田 潤一:1、久木田 和丘:1、米川 元樹:1

1:札幌北楡病院 外科

 

【目的】慢性血液透析患者さんにとって、週3回の血液透析に際する穿刺は非常に苦痛が大きい。さらに、症例によってはシャントへの穿刺が困難であったり、長時間の体位拘束も苦痛である。また、穿刺が上手くいかないと患者さんと医療者の間に溝ができることもままある。そこで、我々はこの問題を解決すべく穿刺を行わないで、透析中に身動きも可能な非穿刺型バスキュラーアクセスを開発したので報告する。 【経過】1998~2001年に日本、北米、欧州5国の特許を得た。その後、文科省の北海道イノベーションプラザから支援を頂き、デバイスの原型作成、動物実験、シャッターの摺動耐性実験が行われた。ついで、日本科学技術振興財団からの支援で、企業グループとして(株)ニプロが選定された。そこで、新たに臨床使用に向けての動物実験、周辺器材の開発がおこなわれた。さらに、厚労省の医薬品-医療器械審査機構のアドバイスを得て、臨床治験に必要な適応症例の検討、治験方法と審査員の選定などが行われ、現在平成22年12月5日現在、間もなく承認が下りる状況にある。 【デバイスの設計】デバイスの素材はチタンである。全長5cmの導管の中央部に幅3mm、長さ1.2cm、高さ3mmのポートが出ている。このポートの内側に2枚の摺動するシャッターが取り付けられている。血液透析の際には専用のカニューレが用意されており。このカニューレは抜けないよう設計されている。デバイスの設置:デバイス設置、1か月前に5cmのデバイスが挿入できる直線部分を含む人工血管を上肢、あるいは下肢にバイパスとして設置する。人工血管が癒着したら、デバイスを挿入する部分の上下に1cmの縦切開を置き、人工血管をそれぞれ露出する。ついで、人工血管の一端にデバイスの一端を固着し、不要の人工血管を抜去しデバイスは皮膚の下を通し人工血管の断端に固着する。最後にポート部の上部を切開しポートを皮膚外に出す。ポートが外部に出る基部には固着板を置き、ポート部にはポートの形状に一致した保護ケースをつける。保護ケースは透析毎に取り換える。これで、軽作業、入浴も可能である。この演題が発表されるときには臨床例の報告が可能と考えている。

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