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ワークショップ

開催回
第56回・2011年・横浜
 

追加発言) 長期VAカテーテルの長期使用と適応を求めて~心・肺負荷の少ないV-V方式によるVAカテ透析の利点と脾腎シャントを有する門脈圧亢進症におけるVAカテ適正透析の実際~

演題番号 : WS-7-4

久保田 孝雄:1、今給黎 敏彦:1、泉 朋子:1、清水 栄一:1

1:自衛隊中央病院 腎臓内科

 

増加する高齢透析患者や、導入原疾患の変貌(糖尿病や腎硬化症増加)と、血液透析享受で長期に生存できる終末期腎不全患者の増加につれ、導入期の内シャント作成・発育困難例のみならず、維持期に、ア)内シャント下の高血圧、心不全、イ)静脈高血圧やスチール症候群合併症例、が増加している。「血液透析はVAカテに始まりVAカテに終わる」との至言通り、VAカテの長期使用は大いに期待される。これより、長期VAカテを心・血管トラブル回避を目的に導入期から選択使用する機会も台頭しているが、長期留置を利とすべく適応指針が未だ明確ではない。我々は既報(透析会誌35:1343-1347,2002)によりSoft-Cellを右内頚静脈からCAJ(cavernous-atrial junction)に留置し(n=8)、6ケ月以上の使用が容易で、その64%で20ケ月以上に(最長57ケ月)に長期管理出来たことを報告した(51st JSDT)。 この際、VAカテは、動脈表在化とともに、高齢者や糖尿病患者に有用ながら、これらではPAD合併も多い。そこで我々は、<1>HD実施中の全心拍数を記録し、全心拍変動評価と、心拍周期変動の周波数成分をパワースペクトル解析し、呼吸変動を反映するHF:高周波数成分(0.20-0.35Hz)が、AVFに比しVAカテで少なく、VAカテが心負荷のみならず肺負荷も少ないことを確認した。さらに、<2>門脈圧亢進症で、門脈大循環シャント特に肝性脳症を繰り返す脾腎シャントや、低蛋白血症、高度腹水を呈する、ア)門脈高血圧症(PPH;門脈圧亢進症による高心拍出下で、肺血管抵抗が増大、肺動脈圧上昇を来し、右心不全を呈す)や、イ)肝肺症候群(HPS;門脈圧上昇により、器質的心疾患のない肺血管拡張から機能的右左シャントを来し低酸素血症を有す)症例でVAカテ透析を行い、脾腎シャントを有する門脈圧亢進症患者で長期の予後を得た。これより、肺血流異常を合併する門脈圧亢進症患者ではVAカテによるV-V方式HDの継続・長期化により心・肺負荷軽減が大いに期待される。

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