演題情報

ワークショップ

開催回
第56回・2011年・横浜
 

国際的な取り組み~KDIGO、その他

演題番号 : WS-6-3

塚本 雄介:1

1:(医)板橋中央総合病院 腎臓内科

 

この間の国際的な取り組みとして特筆すべきはKDIGO (Kidney Disease Improving Global Outcome)によって形成されたChronic Kidney Disease Consortiumだろう。このConsortiumは現在45もの世界中のコホート研究を集合してメタ解析を推進しようとするもので、その成果の第1弾としてGFRの低下とアルブミン尿の存在が相乗的に全死亡率と心疾患死亡率を予測できると言う結果がすでに発表されている(Matsushita K, et al. Lancet 375: 2073, 2010)。またGFR45mL/分/1.73m2が心血管系リスクを飛躍的に増大させる分水嶺になることも明らかにされつつあり、この値でCKD stage 3を前期と後期のように細分化されることが、今後予定されているCKDの病期分類に反映される可能性が高い。一方、このConsortiumに採用されているアジアからのコホート研究は今までのところ日本だけである。そこでアジア太平洋地域におけるCKD対策の共同行動組織であるAFCKDI (Asian Forum of CKD Initiative)はアジア各国からKDIGOと同様の手法でレジストリーデータを集積し、アジアにおける特有なリスク解析を始めている。アジアの多くの国では米国などに比し、CKDにおける心血管系イベントの発症率は少なく、血尿、高尿酸血症など欧米人に比しよりリスクとして明らかな因子もある。このようなリスクとそれの発現する病期を特定することで、より効率的なCKDにおける心血管病など諸併発疾患の予防、末期腎不全への移行の阻止に有効な対策が講じられると考えられる。

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