演題情報

ワークショップ

開催回
第56回・2011年・横浜
 

学術的な取り組み 日本透析医学会の取り組み

演題番号 : WS-6-2

尾形 聡:1

1:広島国際大学 保健医療学科

 

【目的】日本透析医学会では毎年末に会員、施設会員他、多数の方々の多大な協力を得て全慢性透析患者を対象とした調査を行っている。永年積み重ねられてきた膨大なデータとその正確性は世界でも有数のものであり、そこから導き出される解析結果は世界の慢性透析患者の予後改善に貢献している。日本透析医学会は統計調査委員会を設置し、毎年統計調査の計画、実施、解析を行っている。調査により透析導入患者の予後には様々な因子が保存期から影響していることが判明したが、今回我々は主に施設差、地域差に着目し、検討したので報告する。 【方法】日本透析医学会統計調査データベース(JRDR-09104,09105)を基に、日本透析医学会・日本腎臓学会ホームページ・施設会員名簿、財務省統計局、国民栄養調査などから施設種類別、都道府県別のデータなどを抽出し、解析を行った。 【結果】慢性透析導入率は、四肢切断や心筋梗塞の既往のある患者が多い都道府県が高く、初診から導入までの期間が長い都道府県で低かった。また、魚介類摂取量が多く、年間雪日数が多い都道府県で低く、1世帯当たりの貯蓄現在高が低い都道府県で高いなど、食生活や気象条件、経済状況なども透析導入率と相関を認めた。慢性透析導入後の生存率は、夜間透析施設が多く、血中アルブミン値やKt/Vが高く、分透析時間が長い都道府県で高く、栄養状態が良く、長時間透析を施行している都道府県で高い傾向がみられた。透析専門医が多い都道府県では透析導入率が高いが、透析導入時の厚生省透析基準点数は高く、透析導入後のKt/Vは高かった。さらに、分透析時間は長く、透析後BUNは低値であり、1年生存率も高かった。透析専門医が多い都道府県には、透析導入時に状態の悪い患者が多いが、充分な透析を行うことにより予後が良い傾向がみられた。導入後1年以内の死亡原因は感染症が最多で、また患者移動では、病院で導入され、以後そのまま病院で透析を続け診療所に移動していない患者の予後が不良であった。 【結論】慢性透析導入患者の予後には保存期から様々な施設差、地域差が関与しており、その予後改善を目的として様々な観点から検討していかなければならない。

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