演題情報

ワークショップ

開催回
第56回・2011年・横浜
 

我が国における慢性腎臓病(CKD )対策への取り組みについて

演題番号 : WS-6-1

中田 勝己:1

1:福井県健康福祉部 健康増進課

 

我が国の透析医療の状況については、透析患者数は、毎年1 万人程度増え続けており、平成21年末には約29万人を超えている。腎疾患は国民の健康に重大な影響を及ぼしており、腎疾患の発症・進展予防対策を強化することは喫緊の課題である。慢性腎臓病( CKD )は、生命や生活の質に重大な影響を与えうる重篤な疾患であるが、腎機能異常が軽度であれば、適切な治療を行うことにより進行を予防することが可能である。しかしながら、CKD に対する社会的な認知度は低く、潜在的なCKD 患者が多数存在すると推測され、患者の多くが受診するかかりつけ医の資質向上やコメディカル等の人材育成が必要となっている。このような状況の下、腎機能異常の重症化を防止し、慢性腎不全による人工透析導入への進行を阻止すること、さらにCKD に伴う循環器疾患の発症を抑制することを目的として平成20 年3 月に「今後の腎疾患対策のあり方について」報告書がとりまとめられた。本報告書を受けて、厚生労働省においては、平成21 年度よりCKD を対象とした研究事業を拡充するとともに、腎疾患の発症・進展予防の啓発のためシンポジウムを開催している。また、平成21 年度より、講演会等の開催や医療関係者を対象とした研修等を実施し、広くCKD に関する正しい知識の普及、CKD 対策に必要な人材の育成等を図ることを目的として、慢性腎臓病( CKD )特別対策事業を実施しており、平成23年度からは、政令指定都市及び中核市に拡充している。更に、平成22年7月に施行された改正臓器移植法により、本人意思が不明な場合であっても、家族の同意により脳死判定・臓器提供が可能となり、また、15歳未満の者からの臓器提供の途が開かれ、これまでの生体間、心臓死下の移植に加え、脳死下の腎臓移植数も増加することが期待される。厚生労働省としては、引き続きこれらの事業を通じて、CKD 対策の更なる充実に努めていきたいと考えている。

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