演題情報

シンポジウム

開催回
第56回・2011年・横浜
 

PD/HD併用療法の臨床的評価

演題番号 : SY-14-5

横山 啓太郎:1

1:東京慈恵会医科大学附属病院 腎臓・高血圧内科

 

本邦における透析患者数は2009年末に30万人におよぶ。我が国の透析にかかる医療費は約1.2兆円で、年間総医療費の3%に及ぶこととなっていることから、新しい透析のModalityが施策されている。そのModalityの1つが、PDに週1回のHDを組み合わせたPD/HD併用療法である。PD/HD併用療法は体液コントロールのみでなく中分子除去に優れ、慈恵医大柏病院おいて世界で初めて試みられた治療法である。本邦のPD患者の約20%がPD/HD併用療法であることは、この治療法の臨床医学的な有用性が注目されている現れと言える。しかしながら、現時点で、PD/HD併用療法は保険適応を受けておらず、本治療法の医学的妥当性を示すことが肝要である。残腎機能を失ってPD/HD併用療法に移行する場合、併用療法時のHDでハイパーフォーマンス膜を使用すれば、PDに比べ中分子除去に優れている。また、PD/HD併用療法は体液コントロールを可能にする。しかし、PD/HD併用療法は週3回のHDに比べれば、中分子尿毒素物質の除去および体液のコントロールに劣っているので、(1)中分子尿毒素物質の除去が不十分である場合、(2)体液のコントロールが困難な場合は、週3回のHDに移行する必要がある。さらに、PD治療の長期化により、機能的・形態的な腹膜の変化や被嚢性腹膜硬化症(EPS)などの重篤な合併症の危険性を増すことも懸念される。そこで、今回、我々のヒストリカル・コフォート研究の結果を紹介し、PD/HD併用療法の臨床的可能性と限界について検討したい。

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