演題情報

シンポジウム

開催回
第56回・2011年・横浜
 

PD患者の栄養 管理栄養士の課題

演題番号 : SY-14-3

市川 和子:1、三輪 恵:1、武政 睦子:2、佐々木 環:3

1:川崎医科大学 附属病院 栄養部、2:川崎医療福祉大学 臨床栄養学科、3:川崎医科大学 腎臓高血圧内科学

 

腹膜透析(PD)患者では、血液透析(HD)患者に比して腹膜炎の発生や排液中への喪失たんぱくによる低アルブミン血症、難渋する体液管理等による栄養障害が危惧されてきた。臨床の現場においてPD患者は、HD患者に比べ月に1~2回の外来受診にて管理されているため在宅での状態が把握し難いのが現状である。そのため日々のPD手帳や食事記録をみて血液検査成績を参考に栄養指導を行っている。今回、これまでの当院での外来栄養管理の経験、1,栄養状態 2,体液(塩分)管理3,残腎機能の保持について、ガイドラインを参考に述べる。ここ10年間にPD療法は自動腹膜透析(APD)療法や中性透析液、長時間貯留できるイコデキストリン透析液などが開発され、改良が行われてきた。果たして、このようなPD療法の変化がPD患者の栄養状態の改善に繋がっているのか検証するために2005年にPD療法を行っていた患者35名と2010年の患者30名とで比較検討した。結果、年齢・PD歴・食塩除去量以外では透析効率・栄養状態において両群に有意差は無かった。次に、栄養管理上、最も問題となる体液管理状態について検討を行った。対象は、2010年でのPD患者30名で、In Bodyによる浮腫率(細胞外液量/(細胞外液量+細胞内液量)によりA群(0.39未満)B群(0.40未満)C群(0.40以上)の3群に分類して比較検討した。結果、浮腫の最も少ないA群において尿量が有意に多く透析効率も高かった。食塩出納でもA群のみが負のバランスでB・C群は正のバランスであった。残腎機能保持は、PD療法導入前からの栄養管理が重要であることが抽出された。これらの結果を基に私共管理栄養士には、より安全でより快適なPDライフをサポートするために、患者個々の生活背景を熟知し、経済面も考慮して在宅での食生活指導を行うことが求められている。

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