演題情報

シンポジウム

開催回
第56回・2011年・横浜
 

災害時要援護者透析患者対策に学ぶ要介護透析患者の医療連携

演題番号 : SY-13-7

久保田 孝雄:1

1:自衛隊中央病院 兼 内閣府 腎臓内科

 

我々は、平成19年7月新潟県中越沖地震災害支援を経験し、「災害時要援護者」透析患者の特徴と留意事項を踏まえた位置づけを報告してきた(55JSDT)。「災害時要援護者」は従来、CWAP(子供・女性・高齢者・貧困者)とされたが、最近CPEHCT(子供・妊婦・障害者・慢性疾患患者・旅行者)と再認されるに至り、透析患者は内臓疾患を有する身体障害者として包含される。しかしながら、避難行動の初動や情報取得時の要支援者が優先されており、これらに支障がない透析患者にあっては一律に理解されにくい。つまり、視聴覚障害者等と異なり、支援や介護の要否が一律ではないことから、要介護透析患者では個別の支援や介護ニーズの明確化が必要である。この際に、H16年に発生した一連の風水害(中越地震を含む)以降、災害時要援護者対策が市町村を中心に急速に進められており参考となる。<1>要援護者の特定;透析患者は、地域で災害時に支援が必要な人として特定済。<2>要援護者情報の収集・共有;災害時には、市町村の防災部局と福祉部局に加え、直接避難支援に携わる自主防災組織、民生委員等が要援護者に関する情報を共有する。これらは、常に介護ケアプランの中に含まれている。<3>避難支援プランの策定;一人ひとりに対して、誰が支援してどこの避難所に避難させるかなど「避難支援プラン」を策定済。これには、日頃の介護ケアプランの中に「災害時における支援」の項目を定めておくと容易に対応が出来る。特に、初動避難後や避難先では、要援護者透析患者の要介護支援には困難が予想される。そこで、自立度の高い透析患者にあっては、自立行動マニュアルの携帯やトリアージの改良などによる、個別管理の確立が大いに期待される。参考「透析患者 災害対策マニュアル 東京都区部災害時透析医療ネットワーク編http://www.tokyo-hd.jp/index.php」。また、多くの透析患者が、いっとき避難所生活下で、短期の旅行透析が必要となり、この際多くの介護支援ニーズの競合が予想される。ついては、日頃の反復訓練などによる被災地域での円滑な透析医療連携や、被災地域外への広域医療搬送・透析医療連携も大いに期待される。

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