演題情報

シンポジウム

開催回
第56回・2011年・横浜
 

社会的入院を必要とする要介護認定透析患者の医療連携

演題番号 : SY-13-2

前田 兼徳:1、前田 由紀:2

1:(医)前田医院泌尿器科, 島原市医師会地域包括支援センター、2:(医)前田医院内科

 

【背景】医療分野を切り離して高齢者福祉を扱うシステムとして平成12年より介護保険法が施行された。平成17年の法改正により予防介護の導入、施設利用の際の食費や居住費の自己負担が決定され、新たな枠組みとして介護予防や権利擁護の相談機能を持つ地域包括支援センターが新設されることとなった。介護保険は市町村が直接住民に行う制度であり地域の大切な医療資源である。その財源は限られたものであり浪費することは許されず、とくにわれわれ医療従事者はその有効利用を先導する義務を担っているものと考えられる。 近年CKDステージ5D患者自身や同居者の高齢化に伴い老々介護が増加し、さらに患者の合併症の多様化により自宅での日常生活の継続や通院が困難となる例が急増している。透析患者は病態が多彩で内服薬も多く、さらに解明し難い不定愁訴や心血管イベント、感染症による急変の可能性を常に持ち合わせている。また週3回は必ず透析施設へ通院しなければならないという疾患特異性や厳しい食事療法や水分制限を必要とするために一般の要介護認定者と同一空間に共存しにくいという側面も持ち合わせている。 【現況】当院は141名の血液透析患者を抱える有床診療所で、38名(27.0%)の要介護認定者を有する。そのうち介護保険法以前であれば当院へ社会的入院とならざるを得なかったはずの9名の血液透析患者が現在、老人短期入所施設(短期入所生活介護)、グループホーム(認知症対応型共同生活介護)、介護付有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護)に入所し、介護施設の送迎により外来透析治療を継続している。 当院は透析時間延長を積極的に推進している。われわれは十分な透析量を確保することにより患者の栄養状態や愁訴は著明に改善し内服薬も減少し、その結果として介護施設職員のburn out防止にも繋がると考えている。さらに介護施設が腎不全患者を受け入れる最大の障害である食事制限も可能な限り緩和することができる。また介護施設において患者に変化があった場合は24時間体制で対応している。【結論】介護施設の安心を担保する体制を構築することにより、社会的入院なしで要介護透析患者の外来治療が可能である。

前へ戻る