演題情報

シンポジウム

開催回
第56回・2011年・横浜
 

追加発言) 当院のC型肝炎腎移植患者からみたわが県のC型肝炎透析患者の現状

演題番号 : SY-12-4

小崎 浩一:1、湯沢 賢治:1

1:国立水戸医療センター 臓器移植外科

 

【目的】透析患者(HD-Pt)のC型肝炎(HCV)へのribavirin投与は禁忌ゆえinterferon(IFN)治療となるが、高い副作用の発生・減量・中止率から十分に施行されていない。HCV HD-Ptの予後は非HCVに比し不良で、HCV 腎移植患者(RTx-Pt)の腎生着・生存率は非HCV RTx-Ptより劣る。わが国では、20年以上のHCV RTx-Ptは少数だが、近年RTx成績の向上により長期生存患者が増加し、HCV RTx-Ptにも肝硬変・肝癌発生の増加が懸念される。それゆえHD-PtばかりでなくRTx-PtでもHCVの駆除が望まれるが、RTx-PtへのIFN治療は拒絶反応等の問題から十分に実施されず、RTx前にIFN治療が望ましい。当院のRTx-PtとHD-Ptをからわが県のHCV HD-Ptの現状を検討した。【方法・結果】RTx-Pt 53例中HCV RTx-Pt 5例(9.4%)とHD-Pt 119名を対象とした。HCV RTx-Ptで1名移植前IFN治療を行ったが、副作用で8週で終了しSVRは得られなかった。RTx後S-Cr値1.42~2.30(mg/dl)、24 hr CCr値20.4~33.2(ml/min)、eGFR 25.1~38.0(ml/min/1.73m2)でstage T3~4、TaqMan HCV-RNA定量では全例5.0(log)以上と高ウイルス量であった。HCV HD-Ptは10例(8.4%)で、1名のみIFN治療を行ったがSVRは得られなかった。紹介10透析施設中IFN治療を行ったのは常勤肝臓専門医がいる1施設のみで、わが県の77透析施設のうちデータを得られた23施設中IFN治療を行ったのは15施設で、うち7施設には常勤肝臓専門医が、残り8施設は肝臓専門医のいる施設と連携していた。【結論】HCV RTx-PtのCCrは全例50(ml/min)以下で、治療としてはIFNのみである。しかしRTx-PtではIFNと拒絶反応の問題があり十分に実施されていない。そこで今後RTx後長期生存例の増加もあり経時的なHCV-RNA定量・肝画像検査での経過観察が必要と考える。全77透析施設中、肝臓専門医が常勤しているのは僅か17施設(22.1%)であった。報告によれば、定期的に肝臓専門医を受診させている施設は25.3%にとどまり、ウイルス性肝炎に対する治療は39.6%の施設で行われていたが、IFNなどの抗ウイルス療法は少なかった。それゆえ肝癌の発生・肝硬変への進展防止のため、各透析施設は肝臓専門医との間に確固たる医療連携を構築すべきである。

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