演題情報

シンポジウム

開催回
第56回・2011年・横浜
 

本邦におけるPD出口部感染症の現状と治療(イソジンは本当に有害か?)

演題番号 : SY-12-8

中元 秀友:1、鈴木 洋通:2

1:埼玉医科大学 総合診療内科、2:埼玉医科大学病院 腎臓内科

 

【目的】今回我々は、埼玉医科大学ならびに関連2施設の患者の出口部状況を調査し、水道水洗浄とイソジン洗浄による出口部管理状況を比較検討した。さらに難治性肉芽を伴う出口部感染症に対するイソジンゲルの有用性を検討した。【方法】(検討1)対象は埼玉医科大学、武蔵嵐山病院、ならびに所沢腎クリニックでCAPD継続中215名のうち安定した出口部のCAPD患者156名。これら156名の出口部を確認し、出口部新診断指針(中元の出口部診断基準)(発赤、腫脹、疼痛、痂皮形成、浸出液、肉芽の状態、周囲の皮膚の状態を7項目各0、1、2点の合計点で判定)から診断した。これら156名のうち、水道水洗浄を行っている患者122名、ポピドンヨードで消毒している患者45名、その他8名の出口部を比較検討した。(検討2)慢性感染の所見を呈する31名のうち、6ヶ月以上既存の治療に抵抗性を示す慢性肉芽形成患者に対するイソジンゲルの有用性を検討した。【結果】(検討1)水道水洗浄患者での出口部の状態は平均2.90±0.88、イソジン消毒では3.60±1.13であり、水道水洗浄の方が有意に良好であった。そのうち周囲の皮膚の状況は水道水洗浄が0.46±0.15に対してイソジン消毒は1.26±0.38と有意に高値であった。他の項目では有意な差は見られなかった。一方出口部感染の発症は水道水洗浄で16/122名(13.1%)、イソジン洗浄で6/45(13.3%)と明らかな差は見られなかった。(検討2)水道水洗浄、抗生物質投与、抗生物質軟膏、10%NaClによる処置を連日行うにも関わらず治療抵抗性であった巨大肉芽はイソジンゲルの連日の塗布により速やかに縮小、排膿も消失した。【結論】水道水洗浄では周辺皮膚の状態は良好に保たれるものの、出口部感染予防に対する明らかな優位性は見られなかった。現時点では出口部管理に水道水洗浄、イソジン洗浄いずれでも大きな問題はない。また難治性の出口部肉芽に対してイソジンゲルは著効を呈した。

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