演題情報

シンポジウム

開催回
第56回・2011年・横浜
 

血中Klotho蛋白の臨床的意義と今後の展望

演題番号 : SY-10-6

大城戸 一郎:1、横山 啓太郎:1

1:東京慈恵会医科大学附属病院 腎臓高血圧内科

 

klothoマウスが、細胞膜貫通ドメインをもつI型膜タンパクであるklotho蛋白の欠損によって多様な老化現象を引き起こすことが発見されて以来、老化モデルマウスとして様々な研究者によりklotho蛋白の機能が研究されてきた。そしてこのklothoマウスの表現形がリン利尿因子として近年発見されたFGF23 (fibroblast growth factor 23)ノックアウトマウスと同様な表現形を呈することがわかると、Klotho蛋白が骨ミネラル代謝に重要な役割をきたすことが徐々に明らかとなってきた。  klothoマウスでは、高リン血症を引き起こし、同時にFGF23の血中濃度が非常に高値である。そして、このklotho蛋白はFGF23が、標的臓器に作用する際に必要不可欠であり、FGFG23がFGF receptorとともにKlotho蛋白が複合体を形成することにより、FGF23の機能が発揮する。つまり、klotho蛋白の異常によりFGF23の作用が発現できずにNa/Pi共輸送体によるリンの再吸収が亢進することで高リン血症を引き起こす。  一方Klotho蛋白は腎臓、副甲状腺、下垂体に限局して発現しており、臓器特異性を決定している。慢性腎不全による二次性副甲状腺機能亢進症の病態ではPTH抵抗性と共にFGF23抵抗性が存在している。この過形成副甲状腺のklothoは正常組織に比して発現が低下しており、klothoがこの状態に何らかの影響を与えることが示唆された。  現在までこのように膜型Klothoの役割は解明されつつあるものの分泌型Klothoの役割はまだ未知である。そこで我々はklothoマウスの高リン血症を、食事や薬剤でコントロールすることにより、膜型klotho蛋白と血中リンとの生体内相互関係を考察する。また、腎不全や二次性副甲状腺機能亢進症患者のように腎臓からの産生が減少している状態での血液中のklotho蛋白濃度をELISA法を用いて測定することで体内の分泌型klotho蛋白の体内動態及び、その役割について考察する。

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