演題情報

シンポジウム

開催回
第56回・2011年・横浜
 

Calciphylaxisの診断基準と病態

演題番号 : SY-10-2

林 松彦:1

1:慶應義塾大学医学部 血液浄化・透析センター

 

Calciphylaxis(カルシフィラキシス)は、主に透析患者に発症する、極めて疼痛の強い難治性皮膚潰瘍・壊死を主体とする疾患であり、敗血症などを併発して致死率が極めて高いことが知られている。これまでは、症例報告が散見されるのみであり、系統的な調査・研究がなされたことがなかったが、平成21年度厚生労働省難治性疾患克服研究事業として初めて全国調査が実施された。その結果、その発症率は透析患者1万人あたり年間2人以下と推定され、諸外国に比べ極めて低い発症率であることが示された。一方、カルシフィラキシスの疾患概念に対する透析医の認知度も極めて低いことから、実際の発症率はより高い可能性が示された。全国調査を基にして、臨床情報、皮膚病理所見の画像情報の提供を依頼し、診断規準案を策定し、全国透析施設に配布するとともに、確実例と年齢、透析歴をマッチさせた対照例を、各確実例につき2例ずつ収集して、症例対照研究を行った。その結果、ワルファリン内服、補正血清Ca値上昇、血清アルブミン値低下が有意の危険因子として同定された。一方、これまでの報告で危険因子とされていた、女性、糖尿病、副甲状腺ホルモン値などは有意とならなかった。さらに、平成22年度事業として、カルシフィラキシスレジストリーを開設し、また、ワルファリン内服例の前向き観察研究を開始して、カルシフィラキシスの発症状況の前向き調査を実施中である。

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