演題情報

シンポジウム

開催回
第56回・2011年・横浜
 

安全なボタンホール作製法の標準化に向けて

演題番号 : SY-3-6

小川 千恵:1、飯島 真一:1、岡田 一義:2、當間 茂樹:3

1:赤塚幸クリニック、2:日本大学医学部附属板橋病院 腎臓高血圧内分泌内科、3:とうま内科

 

透析継続期間の長期化による穿刺頻度の増加および高齢化や糖尿病による動脈硬化の進展などに伴い、血管損傷を予防することが長期内シャント管理には重要であり、ボタンホール(BH)挿入法は、血管損傷や挿入に伴う痛みが軽減されるため有用な方法である。しかし、BHルートを作製するためには、専用の器具が必要なうえ、コストもかかるため、普及するには至っていない。そこで我々は、BH作製法の標準化に向けて専用の器具を使用せずに作製し、その有用性と安全性を検討した。 文書で同意が得られた週3回外来通院中の維持血液透析患者を対象に、同一スタッフが通常針を用いて透析毎に数回反復穿刺によるBH作製(方法1)または、通常針を用いて1回穿刺によるBH作製(方法2)を行い、BH完成後は先端が鈍なBH専用針を挿入し、透析を実施した。 方法1は、穿刺抵抗を軽減したと感じた時点をBH完成とし、約80%の症例が通常針3回穿刺にてBHを作製できた。また方法2では、約90%の症例が通常針1回穿刺にてBHを作製できた。現在まで上記の方法で作製したBHルートを使用し、感染や瘤などの合併症なしにBH挿入による透析を継続している。VASスコアによる評価では、BH専用針による挿入時の痛みは通常針による穿刺時と比較し、有意に低下した。また、止血時間延長のためにBHを選択した症例では、約10分止血時間が短縮した。なお、方法1と2では臨床上差は認めなかった。 多くの症例で通常針1回穿刺によりBHを作製できるが、作製困難な症例も認められ、BHが完成するまでは必要に応じてスタッフを1~2週間程度固定することが望ましい。我々の簡易BH作製法は、特別な器具を必要とせず、BH専用針による挿入は針刺事故防止にもつながり、医療安全面からも推奨できるため、普及に貢献出来ることを期待したい。

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