演題情報

シンポジウム

開催回
第56回・2011年・横浜
 

施設overnight HD(オーバーナイト血液透析)によるQOLの向上

演題番号 : SY-3-5

坂井 瑠実:1

1:(医)芦屋坂井瑠実クリニック 腎臓内科

 

毎回の透析が無症状で、合併症に悩まされず、QOLの高い生活をするためには、透析時間を長くするしかない。overnightHDはこれらを有利に実践するよい方法である。しかし医療スタッフが、HDはゆっくり時間をかけて行えば安全であるという認識をもたなければ、規則に縛られた窮屈な透析になりQOLを阻害する。睡眠時間中に透析をするという発想は合理的であるが、安全で十分睡眠が取れて、翌日元気に仕事が出来る条件を整える必要がある。 【当院のovernightHDの現状】当院では次のような工夫をしてovernightHDを行っている。(1)血圧低下、不均衡症候群の出現防止のために患者固有の透析条件、最大時間除水量をきめて遵守(2)中央監視システムの導入(3)監視カメラ(赤外線カメラ)の利用でPM9時消灯(4)血液もれセンサーの使用。overnightHD患者17名のうち、12名が来院時から朝まで透析(7時間から10時間)、4名が6~7時間で深夜(早朝)帰宅、1名が終了後朝まで睡眠をとっている。安眠のため透析中血圧測定はしていない。スタッフは17名をCE 2名、あるいはCE1名、Ns 1名で見ている。 【目的】当院のovernightHD患者17名のQOLを聞き取り調査により評価した。 【結果】患者は「体力が上がり,疲れなくなり,透析直後から普通に動ける」「仕事のために必要不可欠。これがなければくびになっている」「早退する必要もなく、残業も出来るので、ストレスがない」「もっと早く始めていれば,高いキャリアを目ざせた」「降圧剤もESA製剤もいらなくなった」「役職についた」「今後,出産して子供を育てたい」「移植の登録を止めた」と述べ、透析以前の普通の生活が出来、余暇も楽しめて満足と答えている. 【考察】無症状に透析が出来、将来とも合併症の危惧がなくQOLの高い生活を送るには,長時間のovernightHDが有利であるが、食生活はおおらかで、透析間体重増加は昼間の患者より多い。またDWが増加して、メタボリックシンドロームの傾向にある。今後の課題である。透析をしていなくても、しなければならない事(睡眠中、仕事中、趣味、家族団欒)の時間に透析に当てる工夫がもっと出来ないものであろうか。

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