演題情報

シンポジウム

開催回
第56回・2011年・横浜
 

当ICUにおけるAKI(Acute Kidney Injury)の治療成績とその国際比較

演題番号 : SY-1-3

平山 陽:1、織田 成人:1、貞広 智仁:1

1:千葉大学 救急集中治療医学

 

【背景】ADQI(Acute dialysis Quality Initiative)によるRIFLE (Risk, Injury, Failure, Loss, End-stage kidney disease)criteria、AKIN(Acute Kidney Injury Network)によるAKIN criteriaによりAKIの診断基準統一が成された。これらを用いる事で疫学や治療効果の比較が可能となり、結果として研究の発展、治療成績向上に役立つと考えられる。本検討ではRIFLE criteriaを用い、当ICUにおけるAKIの疫学を明らかにし、更に諸外国の報告と比較を行い、本邦大学病院ICUにおけるAKI治療の現状を明らかにする事を目的とした。【対象及び方法】過去3年間に当院ICUに入室した1449例を対象とした。そしてAKI発症率、RIFLE criteria(Normal(N)群、Risk(R) 群、Injury(I) 群、Failure(F) 群)の群別割合、血液浄化法施行率、維持透析移行率、死亡率を検討した。諸外国との比較として、同様の背景を持つICU入室AKI症例を対象とした6文献(Hoste et al. 2006, Uchino et al. 2006, Cruz et al. 2007, Ostermann et al. 2007, Bagshaw et al. 2008, Joannidis et al. 2009)を用い、各群の割合及び死亡率を比較した。【結果】1449例中336例(23.2%)がR~F群に属し、AKIと診断された。R群は102例(7%)、I群92例(6.3%)、F群142例(9.4%)であった。血液浄化法施行率はR群21例(20.6%)、I群31例(33.7%)、F群102例(72.3%)であった。維持透析移行率はR群0例(0%)、I群0例(0%)、F群5例(3.5%)であった。死亡率はR群9例(8.8%)、I群10例(10.9%)、F群32例(22.5%)であった。諸外国における報告では各群の割合はR群2.0~17.2%(平均10.7%)、I群3.8~27%(平均12%)、F群5.0~28%(平均11.1%)であった。死亡率はR群8.8~29.2%(平均18.1%)、I群11.4~45.6%(平均27.9%)、F群26.3~56.8%(平均39.1%)であった。【考察】当ICUの検討ではステージが上昇するのに伴い血液浄化法施行率、死亡率が上昇しており、RIFLE criteriaはAKIの診断評価法として適切と考えられた。諸外国の施設との比較では、様々なバイアスは存在するものの、各群の患者割合では差はなかった。しかし、治療成績の比較では、I群、F群において当ICUにおける死亡率が最も低く、当ICUのAKI治療成績は良好と考えられた。

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