演題情報

口演

開催回
第56回・2011年・横浜
 

あきらかな誘因なく発症した維持透析患者たこつぼ心筋症の1例

演題番号 : O-0569

渡邉 出:1、梶間 敏彦:1、羽田野 満明:1、志村 貴之:1、平野 智久:2、竹山 麗:3

1:岐阜中央病院 血液浄化センター、2:岐阜中央病院 循環器内科、3:岐阜大学 第二内科

 

症例は、60歳代女性。透析終了後に胸痛があり、心電図を施行されたところ、広範な誘導で陰性T波、ST上昇を認めた。心エコーでは心尖部の壁運動の低下が認められ、入院となった。本症例においては、精神的肉体的には大きなストレスはないと思われ、安定した透析を施行されていた。 入院後施行された左室造影では、心尖部は無収縮で心基部にのみ収縮を認め、たこつぼ心筋症と診断した。入院後胸痛症状はすみやかに消失、心エコー検査でも心尖部の動きは改善傾向であったため第4病日に退院となった。以後、外来透析を継続中であるが、安定した状態で推移している。本症は、強い精神的ストレスおよび身体的ストレスなどを受けた後に発症した例が多数報告されており、カテコラミン等の交感神経の関与が示唆されている。日常的に多くのストレスを抱える透析患者において、胸痛や心電図の異常を認めたときには、一般に軽微と思われるストレスでも、本症が発症しうる可能性を考慮すべきであると考えた。

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