演題情報

共催シンポジウム

開催回
第56回・2011年・横浜
 

副甲状腺機能の管理

演題番号 : KW-2-3

安藤 亮一:1、駒場 大峰:2

1:武蔵野赤十字病院 腎臓内科、2:東海大学医学部 腎内分泌代謝内科

 

副甲状腺機能の適切な管理は、良好な骨代謝をもたらすだけでなく、血清P、Caの管理を容易にし、生命予後の改善につながる可能性があることから、その意義は重要である。 副甲状腺機能はPTHによってあらわされる。 2006年の二次性副甲状腺機能亢進症治療ガイドラインと同様に、血清P、Caの管理はPTHの管理に優先する。 PTHの目標値設定にあたっては、骨折リスクに与える影響は少ないことから、前回のガイドラインと同様に、生命予後をもっとも重視する。わが国のエビデンスとして、日本透析医学会の統計調査のデータを再評価し、目標値の変更が必要か否か検討する。 世界的にはPTHのアッセイ法によるばらつきが問題となり、KDIGOガイドラインではPTHの目標値は正常上限の2倍から9倍の範囲に維持するのが望ましいとされている。わが国では、従来のAllegro intact PTHとの相関が良好なPTHアッセイが汎用されており、臨床に役立つガイドラインを目指すことから、目標値は数値として表現する。 PTHが管理目標上限値を大きく超える場合には、まず活性型ビタミンD製剤やシナカルセト塩酸塩を用いた内科的治療でPTHの低下を図る。今回のガイドラインにおける、最大の変更の一つはシナカルセトの追加である。シナカルセトは、従来、副甲状腺インターベンションの適応と考えられた高度の二次性副甲状腺機能亢進症においても有効であることが示されており、またPTHだけでなく、P、Caも下げる方向に働くため、活性型ビタミンD製剤との併用により効果的な管理が可能となる。さらに最近では、腫大した副甲状腺腫が縮小することも示されており、副甲状腺インターベンションの適応を変える可能性がある。 これらの内科的治療に抵抗する高PTH血症(>500pg/ml)が持続する場合は副甲状腺摘出術または経皮的エタノール注入療法などの副甲状腺インターベンションを考慮すべきである。また、基準以下のPTH値でも内科的治療により高P、あるいは高Ca血症が持続する場合には副甲状腺インターベンションの適応を検討すべきである。 副甲状腺摘出術は、高度の二次性副甲状腺機能亢進症治療において有効であり、生命予後を改善する可能性につながることから、適応症例には積極的に行うことを推奨する。

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