演題情報

共催シンポジウム

開催回
第56回・2011年・横浜
 

リン、カルシウムの管理 ~JSDT統計調査による検証および9分割図改定の提案

演題番号 : KW-2-2

谷口 正智:1、庄司 哲雄:1、小岩 文彦:1

1:CKD-MBDガイドラインWG

 

2006年二次性副甲状腺機能亢進症ガイドラインの最大の特徴は,生命予後の改善を最優先事項として掲げたことである.PとCaを管理目標値内に維持することを,PTHの維持より優先させ、それぞれの管理目標値を設定した。この目標値は2000年末のJSDT統計調査の再解析(27,404例)より設定された.2006年のガイドライン発表以降、わが国でも徐々にCKD-MBDの概念が浸透するとともに、新たにシナカルセト等が発売され、CKD-MBDをとりまく環境はめまぐるしく変化してきた。今回われわれは、前回ガイドラインの検証を目的として、2006年末以降のJSDTデータ(対象は2006年末時点でP, Ca, PTHの記入がすべてあり、2009年末まで追跡可能で、週3回の血液透析を行い、1年以上の透析歴を有する128,125例)による検討を行った。主に2006年以降のP, Ca, PTHの年次的推移、P, Ca, PTHの層別化による1年および3年予後、管理目標値達成による予後改善効果などを検討し、その結果を発表する。 P, Ca, PTHの至適濃度については,そのほとんどが後ろ向き観察研究から得られた知見をもとに議論されており,前向き介入試験は倫理的に実施が困難な状況である.また,ほとんどの観察研究が1時点のbaseline dataのみを予測因子として検討している点にもやや問題がある.例をあげると、血清P値は食事に影響されて大きく変動するため,個人でみても良い時と悪い時の差が大きい.このような変動に対応する解析として時間依存性モデル(time-dependent model)が有用である.われわれは今回の解析で、このモデルを用いて至適P, Ca濃度の検討を行ったのであわせて発表する。 前回ガイドラインでは適切にP, Ca値をコントロールするために9分割図を提示した。2006年以降新たにシナカルセトや炭酸ランタンが登場し、PTH値のみならず、P, Ca値をも良好にコントロールできるツールが増えてきた。ビタミンDを含めたCKD-MBD関連薬剤についても生命予後を勘案するべきであるが、まだエビデンスとしては十分でない。したがって、このガイドラインでは生命予後の観点からP, Caのコントロールを重視し、これら薬剤の使い方について新しい9分割図を提案する。

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