演題情報

共催シンポジウム

開催回
第56回・2011年・横浜
 

CKD-MBD診療ガイドライン作成と改訂のポリシー

演題番号 : KW-2-1

深川 雅史:1

1:東海大学医学部 腎内分泌代謝内科

 

日本透析医学会より2006年に発表されたガイドラインは,全身性疾患としてのCKD-MBDの概念が提唱されたばかりの時期に,生命予後の重視を最優先して作成されたものである.幸いそのポリシーは広く受け入れられ,リンの管理に重点を置くことなど,医療の質の向上にも一定の効果を上げることができたと考えられる.しかしながら,生命予後も含む十分な日本人のデータが揃っていなかったこと,準備時間の関係で,二次性副甲状腺機能亢進症しかカバーできなかったことなど,いくつかの問題点を残していた. 今回の改訂にあたっては,良い意味でのシンプルさと使い勝手は維持しつつ,必要以上に複雑にならないように注意した上で,(1)統計調査委員会等の協力を得て,目標値の設定と予後についてきちんと検証すること,(2)新たに解明された知見を取り入れること,(3)ガイドライン発表後に使われるようになった新しい薬剤の位置づけを入れること,(4)二次性副甲状腺機能亢進症以外のCKD-MBDの病態も含めること,(5)保存期,CAPD,移植,小児等についても可能な範囲で言及し,他のガイドラインとの整合性をとること,などを目標に準備を進めている. KDIGOによるガイドラインの作成過程でもわかったように,CKD-MBDに関する良質なエビデンスはグローバルに見てもかなり限られている.しかし実際の臨床では,エビデンスが充分ないので何も出来ないという態度を取るわけにはいかないので,そのような状況の中で出来る,標準的にベストなことは何かという観点で,ユーザーと患者のために役に立つガイドラインを作成して行きたいと考えている.その過程で,今後どのようなデータを集めて行けば良いのか,何をより重視して行けばよいのかという建設的な議論につながっていくことをのぞむ.

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