演題情報

学会・委員会企画

開催回
第56回・2011年・横浜
 

非常勤の女性医師の立場から

演題番号 : GI-6-4

森 典子:1

1:静岡県立総合病院 腎臓内科

 

医師全体の中に女性医師の占める割合は年々増加しており、なかでも腎臓学を志す女性医師の増加は際立っている。この理由として、腎臓学の中の大きな比重を占める透析医療が女性医師が適合しやすい勤務形態を提供可能であることがあげられる。  実際に妊娠・出産を経過し、育児の段階に常勤で働くことのできる環境を作り出すことは、多くの女性医師にとって大きな負担となっており、これを契機に常勤から短時間勤務に転向することがしばしばみられる。  静岡県内公的病院(46病院)の勤務医師全体の中の女性医師の割合はH18年の15.2%からH22年には18.5%へ増加しているが、短時間勤務(<40hr/W)率は男性19.8%、女性28.2%と差があり、とくに30代40代では女性医師のそれぞれ28.9%、35.5%が短時間勤務となっている。  このような女性医師の労働実態をかんがみ、日本腎臓学会では2006年に設立された男女共同参画委員会の要請を受け、専門医制度委員会で学会認定専門医資格審査申請条件の研修期間を「常勤(週4日以上勤務)3年以上」に限らず、週4日未満の研修期間も換算して流用可能とした。これにより子育てに時間を割きながら短時間勤務をしていても認定専門医受験へのキャリア形成が可能となっている。  子育て時期、日々の予定が立ちにくい生活の中、長期育児休暇を取る気運もみられているが、医師にとって現場からの長期隔絶は職場復帰への動機や自信の喪失につながりかねない。その中で必要に迫られて短時間の勤務形態を選択した女性医師にとって、キャリア形成の道を、遅くとも着実に歩める環境を用意することは学会としての使命と考える。

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