演題情報

教育講演

開催回
第56回・2011年・横浜
 

糖尿病透析患者の血糖管理~目標とその手段~

演題番号 : EL-4

阿部 雅紀:1

1:日本大学医学部 腎臓高血圧内分泌内科

 

糖尿病性腎症を原疾患とする透析患者の頻度は増加の一途であり、わが国においても新規透析導入原疾患の第1位であり,今後もその数は増加していくことが予測されている.そのため,透析治療における糖尿病管理の占める割合は大きく、今後も中心的存在となっていくことが予想される。糖尿病透析患者での血糖コントロールの主な目的は、腎症以外の血管合併症の進展阻止と、感染症などの急性合併症の予防により生命予後を改善することにあると考えられる。しかし、糖尿病透析患者における具体的な血糖コントロールの指標とその目標値,治療法については世界的にもコンセンサスが得られていない状況である.透析患者では腎不全における糖代謝の特殊性が存在するため,非透析患者と同様の管理や血糖コントロールの評価を行うことは困難である.特に低血糖症に関しては避けられない問題となってくる。KDOQI,ADAガイドラインではHbA1c(NGSP値)7.0%未満が提示されているが、透析患者のみを対象としたガイドラインではない。また、HbA1c値は透析患者の血糖状態を正確に反映していないという欠点があるため、グリコアルブミン(GA)値による評価が推奨される。治療法に関しては,わが国では経口血糖降下薬の多くは使用困難であったが、DPP-4阻害薬の一部が使用可能となり、その選択肢は増えたため、その有効性が期待される。糖尿病透析患者の血糖コントロール状態と生命予後または心血管イベント発症とに関連があるか否かについて、これまでのエビデンスを報告するとともに、糖尿病透析患者の血糖コントロールの指標とその目標値、そしてその目標を達成するための手段について概説する。

前へ戻る