発表

大会準備委員会企画シンポジウム
2015-09-24 09:20 - 11:20
IS-006

余白の心理学: 人間理解への回復力

[企画代表者] 齋藤 洋典:1
[話題提供者] 曽我部 正博#:1, [話題提供者] 熊谷 玄#:2, [話題提供者] 有田 隆也#:1, [指定討論者] 仁平 義明:3
1:名古屋大学, 2:スタジオゲンクマガイ, 3:白鷗大学

本シンポジウムでは,人間理解という我々の中心的関心事を,それはそれとして,慣れ親しんだ認識の枠組みの周辺(余白)に一旦預ける.引き換えに,我々は新たな中心的余白を手にする.この余白の移動は,個別問題の解決ではなく,複数の問題に通底する「問題発見」を企図する認識の疑似撹乱である.そこに預けた人間理解への豊かな回復力を求め,問題発見の契機を探る.
 景観デザイナーは,例えば,震災に遭う前の土地に村人全員で一緒に住みたいというユーザーの願いが,どこからきて,どこに向かおうとするのかを聞き出し,その願いの意味を考えださねばならぬ.ユーザーの夢を叶えるとは余白の意味の発見ではないか.
 人工生命学者は,現実に大胆な捨象を与え,計算機を駆使し,時間を操り,現実の生命,心,社会を可能なシナリオ群の一つとして理解する.言わば,膨大な余白にこそ追究すべきものが存在すると考える.その一方で,現実との符合の夢は捨て難い.そうしたアプローチを眼下の人間行動に結びつける方途を探る.余白から本体がどう見えるかを問う.
 生物物理学者は,分子という部材を用いた細胞の建築運動学を解析する.その中で,いのちが生まれる秘密(しかけ)と細胞が生きようとする意志の源に想いを馳せる.外部と内部の両観察者の統合を夢見る.夢とは余白の統合の別名ではないか.
 さて, 3者の取り組みに,人間理解を希求する我々はいかなる福音を聴くのか.
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