発表詳細

一般研究発表(ポスター)

 
5. 犯罪,非行
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日程
2014年9月12日(金)
時間
13:10 - 15:10
会場
RY205第1ポスター会場
 
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自由記入設問で得られた犯罪予防行動の分類

発表番号 : 3PM-1-051

【責任発表者・登壇者】
島田 貴仁:1 

1:科学警察研究所

 

目 的
日本では,住宅対象侵入盗の約4割が無施錠に起因するなど,犯罪予防行動の欠如による犯罪被害が問題になっている。警察や行政は,公衆に対して犯罪予防行動を取るよう勧告しているが,効果的な働きかけのためには,公衆がどの程度予防行動を取っているかを体系的に把握することが期待される。これまで若年層についてはHonda & Yamanoha (2010) が予防行動尺度を作成するとともに,島田・荒井(2012)が警察がホームページで勧告された予防行動を分類しているが,他の年齢層では十分に検討されていない。このため,一般成人を対象に,予防行動の尺度策定のために調査を行った。

方 法
インターネット調査会社の20-69歳の男女のモニターを対象に,ウェブ調査を行った。スクリーニング調査で過去5年の犯罪被害経験を尋ね,本調査では,性別×10歳刻み年齢×被害の有無(身体犯/財産犯/被害なし)で層別し,目標回答数を割り付けた。回答者数は843名(男性370名,女性473名,平均年齢42.3歳,S.D.14.1歳)。
「ふだん,犯罪の被害にあわないために行っていることや心がけ」について5項目までテキストボックスに入力を求めたところ,1423個の記入が得られた。うち,1.別設問で尋ねた防犯設備にかんする記述9個,2.交通事故や失火など犯罪被害以外への災厄の予防行動の記述11個,3.子供へ言い聞かせるなど記入者以外の被害リスク削減を企図した記述15個,4.行動が明確に述べられていない抽象的な記述25個を除いた1363個を分析対象とした。

結 果
 予防行動の記述数 回答者あたりの記述数の基礎統計量をTable 1に示す。回答者を分析単位として,記入数を従属変数,性別,年齢層,被害の種類を独立変数にとった3要因の分散分析を行ったところ,性別の主効果(F(1,813)=32.7,p<.01)と,年齢層と被害の種類との交互作用効果(F(8,813)=2.6,p<.01)が有意であった。
 予防行動の分類 まず,研究協力者1名と著者1名とがKJ法(川喜多,1967)に類した手続きで,Table 2 に示す59カテゴリーを作成した。次に,研究意図を知らない別の協力者2名が,1363個の記述をカテゴリーのいずれかに分類した(κ= .84 )両者が一致しない場合は別の協力者がそのいずれかに決定した。
考 察
女性は男性よりも全般的に予防行動の記述数が多いが,特に外出時,自宅内,他者からの接触時における差異が大きかった。一方,警察や行政が力を入れている,成人女性におけるひったくり防止カバー利用や,高年齢層における振り込め詐欺の電話に関する予防行動の記述数は少なかったが,これが予防行動の低さに起因するのか,想起の容易性に起因するのか検討が必要である。

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