発表詳細

一般研究発表(ポスター)

 
17. 産業,交通
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日程
2014年9月12日(金)
時間
09:20 - 11:20
会場
RY304第2ポスター会場
 
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退勤後の気持ちの切り替え-職務内容の反すう/ルミネーションの多い日本とイタリアの比較-

発表番号 : 3AM-2-040

【責任発表者・登壇者】
片山 美由紀:1 

1:東洋大学

 

目 的
日本はワークライフバランスの悪い国であることが指摘されており(OECD, Better Life Index)、各種統計からもその事実が読み取れる。しかし社会的に必要性の高い研究テーマと、心理学の基礎研究との距離は小さくない。ウェルビーイングに関わる心理学分野の研究は近年、ポジティブ心理学の隆盛とともに進展してきたが、十分に取り上げられていない研究領域も多い。その一つが、働く人々の仕事以外の自由時間の使用の特徴とメカニズムに関するものである。本研究ではrumination, repetitive thinking, leisure, stress coping, emotion regulation 等の領域における日本の基礎的データおよび問題点の検討を目的とする。

方 法
 調査対象者は日本またはイタリアに在住で、フルタイムの仕事を持つ、10歳以下の子どもが1人以上いる方。調査会社に登録し条件に該当する方に回答を依頼した。回収数は日本が男性170名、女性162名、イタリアが男性149名、女性153名であった。なお調査に含められた変数は各国とも計194であった。

結 果
 仕事負担感の回答は、日本とイタリアでほぼ同様であった(Table 1)。にも関わらず、スイッチの欠如/仕事関連内容の反すうは、イタリアで「ほとんどない」が約半数(48.3%)であるのに対して、日本では「時々ある」が4割強(43.4%)、「しばしばある」と「いつもそうだ」で3割強(31.3%)、つまり4人に3人は反すうがあると回答していた。

考 察
日本の回答者は退勤後の職務内容関連の反すうがイタリアと比較して多い事が明らかになった。仕事負担感は両国でほぼ同じであるため、退勤後にスイッチオフが適切に出来ない事が日本の特徴であるといえよう。
自由時間に職務内容関連の反すうを経験することは、翌日等、仕事に携わるにあたり十分な休息をとれていない状態といえる。労働、退勤後の職務内容関連の反すう、身体的/精神的休息、そして自由時間の過ごし方に関する研究は近年統合モデル作成の途上にある(Newman et al., 2013)。反すうの心理学的研究は従来抑うつ現象に関するものが多いが、職務内容の反すうおよび積極的なタスク・スイッチング、あるいは業務への集中あるいは労働生産性の向上に関する研究の充実が今後必要とされる。

引用文献
Sonnentag & Bayer (2005) Switching off mentally: predictors and consequences of psychological detachment from work during off-job time. Journal of occupational health Psychology. Vol. 10 pp. 393-414
Newman, Tay, & Diener (2013) Leisure and subjective well-being: A model of Psychological Mechanisms as Mediating Factors. Journal of happiness studies.

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