演題詳細

ミニオーラル

 
[P-149] ミニオーラル149:大腸:虫垂 4 他
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日程
2014年7月18日(金)
時間
13:30 - 14:20
会場
ブースE (郡山総合体育館 1階 小体育館)
座長・司会
座長)土井 孝志:1
1:白河厚生総合病院外科
 
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虫垂最大短径による穿孔リスク指標を用いた急性虫垂炎に対する治療戦略

演題番号 : P-149-3

佐藤 正範:1 和田 英俊:1、宮木 祐一郎:1、野澤 雅之:1、和田 尚人:1

1:浜松医科大学附属病院 一般外科

 

当科では急性虫垂炎に対して,腹腔内膿瘍などを合併している複雑症例では保存的治療を,穿孔リスクのある症例では外科治療を奨励しており,それ以外の症例では,保存的治療を基本にしつつ,希望者に外科治療を行っている.穿孔リスクは腹部CTでの虫垂の最大短径で分類し,15mm以上は高リスク,12mm以上~15mm未満は中間リスク,12mm未満を低リスクとしている.2010年9月から2013年10月までに当科で治療した急性虫垂炎(複雑症例を除く)と確定診断された患者80人を後向きに検討し,穿孔リスクと保存的治療の妥当性の評価を行った.虫垂の最大短径は,穿孔例(9例)で16.2mm,非穿孔例(65例)で11.5mmであった(p<0.001).穿孔を示す感度/特異度は,虫垂の最大短径15mm以上で78%/92%,12mm以上で100%/53%で,穿孔リスクの評価指標として妥当であると考えられた.中間リスク群のうち穿孔症例を拾い上げるために,以下の項目について検討した.項目とそれぞれの感度/特異度は,糞石の有無(67%/66%),閉塞部遠位の虫垂内空気像の有無(56%/92%),虫垂壁の不均一な菲薄化の有無(56%/94%),周囲脂肪織の濃度上昇の有無(89%/45%),周囲小腸の拡張の有無(44%/100%),骨盤腹膜の造影効果上昇の有無(75%/92%)であった.ロジステック回帰解析では,虫垂の最大短径(P=0.01980),骨盤腹膜の造影効果上昇の有無(P=0.00827)が抽出された.
 保存的治療は54例に選択され,そのうち外来治療は25例(46%),入院治療は29例(54%)に行われた.保存的治療開始後に外科治療へコンバートした症例は6例で,そのうち4例で穿孔を認めた.穿孔例3例では,高リスクにも関わらず保存的治療が選択されていた.手術治療例は26例で,そのうち単孔式腹腔鏡下手術が22例(85%)に行われ,完遂率は100%だった.
 虫垂の最大短径を基本とする穿孔リスク評価は,簡素で有用な指標と考えられた.中間リスクに対しては,その他の所見を組み合わせることで,穿孔例を抽出できる可能性が示唆された.

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