演題詳細

ミニオーラル

 
[P-149] ミニオーラル149:大腸:虫垂 4 他
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日程
2014年7月18日(金)
時間
13:30 - 14:20
会場
ブースE (郡山総合体育館 1階 小体育館)
座長・司会
座長)土井 孝志:1
1:白河厚生総合病院外科
 
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複合型の先天性凝固因子欠乏症患者に発症した結腸憩室出血の1例

演題番号 : P-149-5

三野 和宏:1 後藤 順一:1、土橋 誠一郎:1、服部 優宏:1、飯田 潤一:1、小野寺 一彦:1、玉置 透:1、目黒 順一:1、米川 元樹:1、川村 明夫:1

1:札幌北楡病院 外科

 

はじめに:先天性第V因子欠乏症は100万人に1人,先天性第VII因子欠乏症は50万人に1人に発症するといわれているが,これらの複合型の報告例は存在しない.今回,先天性第V,第VII,第VIII因子欠乏症(血友病A)の複合型患者に発症した結腸憩室出血に対し手術を行い,適時血液製剤の投与を調整することで重篤な出血合併症なく経過した症例を経験したので報告する.
症例:症例は68歳男性.血友病Aの診断歴があったが無治療となっていた.多量の血便による出血性ショックのため当院救急搬送となり,下部消化管内視鏡検査にて横行結腸憩室からの出血を認めた.経過中の血液検査にてインヒビターのない血液凝固第V因子,第VII因子,第VIII因子活性の低下を認めた.内科的治療では止血が得られず,右半結腸切除を施行した.血液凝固管理は,第VII因子に関してはトロンボテスト(TT)を指標として遺伝子組換え活性型第VII因子製剤(rFVIIa)で調整し,第V因子に関してはTTとPTの乖離(TT正常,PT延長の場合,第V因子の欠乏を示唆)を指標としてFFPで調整した.術後は一時的に出血傾向となったものの,重篤な出血合併症や血栓症に陥ることなく管理することができた.
考察:周術期の凝固因子管理は,血友病に関してはガイドラインが作成されている一方で,先天性第V,第VII因子欠乏症に関しては存在しない.第V因子は濃縮製剤が開発されていないため補充はFFPで行い,第VII因子の補充は遺伝子組換え活性型第VII因子製剤で行うことが一般的であるが,各凝固因子の活性と止血効果との間に明確な相関は認められておらず,症例毎の出血コントロールが必要であるのが現状である.本症例は凝固因子欠乏症の複合型であり,より複雑な病態と考えられ,実際に凝固因子活性と期待される止血効果との間に乖離が見られた.このような症例でも必要な因子を適時選択し補充することで重篤な合併症に陥ることなく周術期管理を行うことが可能と考えられた.

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